断熱性能 等級4、等級5、等級7の「各室内の温度の違い」について

大阪市城東区で健康的な天然素材にこだわりお家づくりをしている平和建設です。
住宅において大地震から安全を守る耐震性(等級1、2、3)と並ぶ大切な性能が断熱性・省エネ性(現行等級1、2、3、4)ではないでしょうか?

寒くなるとより断熱性の重要性を感じてしまいます。
そんな断熱性・省エネ性について国の動きが慌ただしくなってきました。

断熱性能について国も本気なようで

まず内閣府にて再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースが年内までで17回開催されました。

経済産業省、国土交通省、環境省、農水省など省庁を超えた話し合いがされ、再生エネルギー導入に向けてすべてのエネルギーを総チェックし、指針をつくっています。

河野元大臣が各省庁の担当者を叱ったと言う場面は有名です。
特に住宅においては「義務化」「法制化」などより具体的な単語もでています。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/20210817/210817energy08.pdf

また国土交通省では2012年より定期的に開催されている建築物エネルギー消費性能基準等小委員会は今まで23回開催されていましたが、そのうち6回が2021年11月以降開催され、断熱の向上に向けて集中的に行われています。

エネルギー量を30%から40%削減を目安とする断熱性能等級:等級5、6、7の創設が検討されています。

ZEH水準の外皮性能を等級5とする案(UA値0.6)は前々から議論がされてきましたが、ZEH水準(UA値0.6)を上回る性能を「等級6、7」の議論も第19回(2021年11月4日)から開始されました。

断熱性能・省エネ性能等級4、5、6、7(地域区分6 大阪市の場合)

断熱等級4、5、6、7の暮らしの違いについて

新しい枠組みは現行の最高等級4からどれぐらい電気代が安くなるのでしょうか?
国土交通省の建築物エネルギー消費性能基準等小委員会では以下のように発表しています。

等級4 等級5等級6等級7
暖房一次エネルギー13383MJ (基準)8.9GJ(33%削減)8.7GJ(35%削減)6.4GJ(52%削減)
暖冷房一次エネルギー19017MJ(基準)13.7GJ(28%削減)13.2GJ(31%削減)10.8GJ(43%削減)

一次エネルギーとは?

化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーを「一次エネルギー」、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。

建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計量単位(kWh、L、MJ等)で使用されています。

それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(MJ、GJ)で求めることができるようになります。(※1J=1W・s(ワット秒)

つまり、計算上にはなりますが冬の暖房費は劇的に下がることがわかります。
省エネ等級4も平成11年に作られた基準です。

20年以上前の基準ではあるものの中古物件で平成11年と聞くとそれほど古くない物件のように思います。

次世代の住宅は断熱性を大きく進化させることを予見させます。2022年は本当の省エネ住宅元年になるかもしれませんね。

等級4と等級5と等級7「室内の温度の違い」

断熱性能等級4と等級7では暖房費や冷暖房費が大きく安くなることはわかっても、実際の部屋の温度はどう違うのか?
色々調べてみたのですが、なかなか出てこない。

やっと見つけたのは建築知識ビルダーズNo.25(ムック 2016/5/27)の真夏のエコハウス検証記録
と言う記事。

アマゾンでも購入できるので、ご興味のある方はぜひ。

東京大学大学院 前 真之研究所の大西幸奈さんと新冨 凌太さんが埼玉県で本当のエコハウスを建てている夢・建築工房さんの4棟のお家を調査した内容でした。

本では性能違いの4棟の調査し、発表しています。
全部を紹介をするのは申し訳ないので、一部(2棟)を紹介します。
本にはもっと詳しく載っています。

比較する住宅の情報

UA値0.61 断熱等級ほぼ5の高性能住宅 

UA値0.61は悪い方と紹介されていますが、ほぼZEH基準(0.60)のUA値で省エネ等級(UA値0.87)よりもはるかに高性能な住宅です。ほぼ次世代最高等級5となり、現行最高等級4よりも暖房一次エネ33%削減、暖冷房一次エネ28%削減に近い省エネ性を誇っています。

本誌での紹介:特長)コストを抑えながら、できる限り高い温熱性能を確保。全館冷暖房では冷暖房費が高くなるため、この家では各室冷暖房とした。屋外に面する部分が多く、2階の寒さ暑さが予想されるため、天井を高断熱仕様とした。

UA値0.237 次世代断熱最高等級7の超高性能住宅

6地域の断熱性能等級7はUA値0.26(推定)を凌ぐUA値0.237
当時は「やり過ぎ」と言う評価も多くあったのではないでしょうか?
高性能への意識が高まった今でも凄い家です。
次世代断熱等級がつくられる将来にはこの最高等級の家は増えていくと予測されてます。

本誌での紹介:特長)関東では数少ない、壁300mm断熱の住宅。夏対策として南側の植栽したり、外付けロールスクリーンを下している。断熱気密以外にも排熱・通風などの対策を施した。昨年の夏の冷房費は総額3000円程度。

外気温の違い|断熱等級4(ほぼ5)と断熱等級7 比較

調査した日は同日ではないため、外気温の比較も行われています。
UA値0.237 次世代断熱最高等級7の住宅では14:00~16:00の間で40度を超えた灼熱真夏日

室内温度とエアコン消費電力|断熱等級4(ほぼ5)と断熱等級7 比較

1階と2階の温度差が10度以上の断熱等級4(ほぼ5)の家では昼過ぎから35度以上になり、徐々に温度が下がっていってるが、就寝の時間にエアコンをつけて30℃以下に急激に冷やしている。

おそらく日中は2階をほぼ使用していないのではないかと推測されます。

UA値0.237 次世代断熱最高等級7の住宅では16:00~17:00にエアコンがついて朝方にかけてエアコンを使用している。驚くことに日中にはエアコンを使用していない。

こんな家で吹き抜けをつくっても温度差のない快適な大空間がとれそうですね。

当日の冷房消費電力は66%削減

UA値0.237 次世代断熱最高等級7の住宅と断熱等級4(ほぼ5)の家では冷房消費電力は66%削減を実現しています。

国土交通省が試算した計算上の一次エネルギー消費量よりも差が出ているようです。
これらは断熱性能とともに日射など様々なデザインや設計に関係しているようです。

おそらくパッシブデザインを取り入れた間取りになっているのではないでしょうか。

温度差のない暮らしを過ごすだけで、エコな暮らしができているとも言える次世代断熱最高等級7の住宅は今後要望とともに増えていくのではないでしょうか?

ベストバランスを考えましょう。

次世代断熱最高等級7の住宅はやはり高くなってしまいます。平和建設で建てる家は断熱等級6(推定)ZEHを超える断熱水準を標準仕様としています。

より高性能を求めて暮らしを良くしたいとお考えの方は次世代断熱最高等級7へ
お考え下さい。

ただ建築費用はあがります。冷暖房費をおさえるか、建築費用をおさえるか。
ベストバランスを探していけたらいいですね。

ただ、これから家を建てるのならば断熱等級4ではもう古いことは言えるのかもしれませんね。