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大阪・兵庫・奈良で新築・注文住宅を建てる方は必見。省エネ基準地域区分
近頃、ZEHやSDGsから言われるサステナブル住宅など、環境に配慮することが目的の一つである住宅の取り組みが見られます。
| ZEHとは… 住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。 |
| サステナブル住宅とは… いつまでも暮らしやすく次世代の子どもたちに受け継いでいくことを考えた、長持ちする住宅のこと。 太陽熱や風力など、自然のクリーンエネルギーを生かした住まいづくりを行います。また、木々の成長と再生のサイクルを考えた住まいでもあるため、解体のごみを減らすなどのリサイクルの観点も取り入れて言われることが多いです。 |
これらを世界中で実現できれば、環境の保護に大きな影響を与えられますね。
そういったことに関連して、日本でも地域区分ごとに達成すべき省エネ基準が設定されており、それぞれ達成する値が異なります。

住宅、非住宅の用途を問わず、省エネ計算を行う際に確認する「省エネルギー基準地域区分」があります。
全国の地域は「1~8」の8つの地域に指定されており、届出を行う計画地がどの地域区分になるのかによって、求められる断熱性能が異なり、達成すべき基準値が変わってくるということになります。
寒い地方である北海道が1や2の地域に指定され、南下していくにつれて地域の数字は大きくなり、東京や大阪など主な都市部では5~6地域が多くなり、最終的に暖かい地方である沖縄の8地域に指定されています。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)は、平成27年から公布されておりますが、市町村が合併したりしてその度に地域区分が変更される場合がありますので、確認をする場合は最新の情報をもとに確認する必要があります。
今回、大阪府・奈良県・兵庫県について省エネ基準地域区分をまとめてみました。(2021年4月現在)
建物を建てる際に参考にして頂ければ幸いです。
大阪府
| 5地域 | 豊能町、能勢町 |
| 6地域 | 大阪市(北区・都島区・福島区・此花区・中央区・西区・港区・大正区・天王寺区・浪速区・西淀川区・淀川区・東淀川区・東成区・生野区・旭区・城東区・鶴見区・阿倍野区・住之江区・住吉区・東住吉区・平野区・西成区) 堺市(旧堺市)、堺市(旧美原町)、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、島本町、忠岡町、熊取町、田尻町、太子町、河南町、千早赤阪村 |
| 7地域 | 岬町 |
奈良県
| 3地域 | 野迫川村 |
| 4地域 | 奈良市(旧都祁村)、五條市(旧大塔村)、曽爾村、御杖村、黒滝村、天川村、川上村 |
| 5地域 | 生駒市、宇陀市、山添村、平群町、吉野町、大淀町、下市町、十津川村、下北山村、上北山村、東吉野村 |
| 6地域 | 奈良市(旧奈良市、旧月ケ瀬村)、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市(旧五條市、旧西吉野村)、御所市、香芝市、葛城市、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町 |
兵庫県
| 4地域 | 香美町(旧村岡町、旧美方町) |
| 5地域 | 豊岡市、西脇市、三田市、加西市、丹波篠山市、養父市、丹波市、朝来市、宍粟市(旧山崎町)、宍粟市(旧一宮町、旧波賀町、旧千種町)、加東市(旧社町、旧東条町)、加東市(旧滝野町)、猪名川町、多可町、市川町、神河町(旧神崎町)、神河町(旧大河内町)、上郡町、佐用町、新温泉町(旧温泉町) |
| 6地域 | 神戸市、姫路市(旧姫路市、旧夢前町、旧安富町)、姫路市(旧家島町、旧香寺町)、尼崎市、明石市、西宮市、洲本市、芦屋市、伊丹市、相生市、加古川市、赤穂市、宝塚市、三木市(旧三木市)、三木市(旧吉川町)、高砂市、川西市、小野市、南あわじ市、淡路市、たつの市(旧龍野市、旧新宮町)、たつの市(旧揖保川町、旧御津町)、稲美町、播磨町、福崎町、太子町、香美町(旧香住町)、新温泉町(旧浜坂町) |
他の都道府県の地域区分は以下のサイトからご確認ください。
断熱地域区分 MAG – https://www.isover.co.jp/
住宅の外皮性能基準
地域区分ごとに建築物省エネ法で定められた達成すべき指標があります。
外皮の熱的性能を評価する基準には、断熱性能を示す「外皮平均熱貫流率UA値」と日射遮蔽性能を示す「冷房期の平均日射熱取得率ηAC値」があります。
外皮平均熱貫流率(UA値):
住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。
外皮平均熱貫流率とは、住宅から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、壁、床、天井及び開口部からの熱損失の合計を、外皮表面積で除した値です。
数値が小さいほど断熱性能が高い住宅です。
冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値):
入射する日射量に対する室内に侵入する日射熱の割合を外皮全体で平均した値です。
平均日射熱取得率とは、入射する日射量に対する室内に侵入する日射熱の割合を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、屋根又は天井、外壁、ドアなどの躯体から侵入する日射量と窓ガラスから侵入する日射熱の合計である総日射量を外皮面積で除した値です。
数値が小さいほど、日射熱が侵入しにくい住宅です。
| 地域の区分 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 |
| 戸建住宅・共同住宅等の外皮平均熱貫流率[W/(m2K)](UA値) | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
| 戸建住宅・共同住宅等の冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値) | – | – | – | – | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 6.7 |
届出義務
300m2以上の住宅の新築、増改築に係わる計画は届出義務があります。
説明義務(2021年4月から)
300m2未満の小規模建築物(住宅・非住宅)では省 エネ性能適合可否について建築士から建築主へ の説明の義務が課せられます。
報告義務(トップランナー対象)
建売戸建住宅150棟/年以上の住宅事業建築主は、国交省からの報告を求められた場合、基準の達成状況を報告する義務があります。(2019年11月、対象に・300戸/年以上の注文戸建住宅・1000戸/年以上の賃貸アパートの供給事業者が追加)
ZEHの地域区分別強化外皮基準
ZEHについて「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅」と定義しています。
次の4つの要件を満たした住宅をZEHと定義します。
- 強化外皮基準(例:6地域 UA値≦0.6[W/㎡k])
- 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減(H25基準より20%以上)
- 再生可能エネルギー導入(例:太陽光発電)
- 1~3により基準一次エネルギー消費量から100%削減
ZEH要件の要件の中でも特に注目されるのが1の「強化外皮基準」です。それぞれの地域ごとに外皮性能(断熱性能)基準を設定しているが、全ての地域において省エネ基準より高い水準の性能を要求しています。つまり、省エネ基準よりワンランク上の外皮性能を達成しなければZEHとは言えないのです。
| 地域区分 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 |
| ZEH基準 | 0.4以下 | 0.4以下 | 0.5以下 | 0.6以下 | 0.6以下 | 0.6以下 | 0.6以下 | – |
断熱性に関する評価基準「HEAT20(ヒート20)」
年、新しい断熱性に関する評価基準「HEAT20(ヒート20)」が注目されています。
「HEAT20」とは、地球温暖化とエネルギー、そして居住者の健康と快適な住まいを考え、2009年に研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称(呼称)です。
団体が定めた断熱性の基準値のグレードを「G1」「G2」「G3」で分けています。グレードは数字が大きいほど高くなります。ここでは地域区分の基準のみを記載します。
HEAT20の基準では、5地域では0.48、6~7地域では0.56とさらに高レベルな断熱性能を標準的な基準として設定しています。
| 地域区分 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 |
| G1 | 0.34 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | – |
| G2 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | – |
| G3 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.34 | 0.26 | 0.26 | – |
HEAT20についての詳細は後日まとめようと思います。
最後に
ここでは地域区分に関する説明や基準について説明していきました。
実際にはZEHやHEAT20も、もっと細かな規定がありますので、後日まとめたいと思います。
新しく家を建てたい人は、地域区分に注目して、建築物省エネ法よりももっと断熱性能の高いZEHやHEAT20を目指してみてはいかがでしょうか。
| 省エネ性能・断熱性能と外皮性能の関係について書いた記事 住まいの燃費性能について|省エネ性能の説明 |
大阪市の総合建設業 平和建設が建てる新築・注文住宅「SALUTE」
注文住宅「SALUTE -サルーテ-」はHEAT20の基準をクリアする断熱性能の家づくりです。
断熱性能とZEHにより、健康・快適な家づくりで心地よく暮らせる住まいを皆様に提供します。
是非一度ご覧ください。

