大阪は住宅が劣化しやすく揺れやすいエリアだから、地域に合ったお家づくり

大阪市城東区で、性能とデザインにこだわった家づくりを手掛ける平和建設のスタッフです。

先日、埼玉の工務店と家の耐久性について話し合う機会をいただきました。すごくまじめな家づくりをなさってる方で東日本大震災でのボランティア活動や建築での提供なども行っていたそうです。そして、耐震や耐久性など住宅の安全性について考える必要があるとお考えになったそうです。

そんな方曰く、大阪で家建てるのは埼玉で家建てるよりも注意が必要なことに驚かれていました。建築基準法は全国で共通のルールのため、大阪では建築基準以上をはるかに超える安全性への考慮が必要なことを互いに確認しました。

この記事では大阪で家を建てる際の安全性についてまとめていきます。
せっかくの家づくりですから、安全で妥協のない家をつくっていただけたらと思います。

シロアリ対策

引用 シロアリ一番 記事
https://www.shiroari-ichiban.com/contents/column/shiroari-area/

上記のイラストはシロアリ防除の専門業者として46年間シロアリ一番さんが書かれたコラムに掲載されているイラストです。

日本には現在22種のシロアリが生息していると言われています。
その中で住宅に被害を及ぼすシロアリが

・ヤマトシロアリ
・イエシロアリ
・アメリカカンザイシロアリ(外来)

の3種類と言われています。

特に、イエシロアリは亜熱帯地域を好み、高温多湿なエリアを好むシロアリです。
近年の温暖化でより生息域を北上させている困りものです。
このイエシロアリがたちが悪いのは水を運ぶことができることです。
一旦家内にコロニーをつくられてしまうと外から水を運び入れ、家を腐らせていきます。

そのイエシロアリとともに・ヤマトシロアリ・アメリカカンザイシロアリ(外来)
ともに生息が確認されているのが大阪です。

埼玉の工務店ではここまでシロアリを気をつけずともヤマトシロアリだけでほぼほぼ対応できるのだそうです。
(ああ、羨ましい)

高温多湿

冬になると乾燥する。
でも、暖められた施設などに入ると湿気が多いと感じることも多い。
そんな話は大阪でも起きていますよね。

埼玉と比較すると一年中湿度が高いことがわかります。
大阪市での冬の乾燥は埼玉などに比べると乾燥していないことがわかります。

湿度だけを比較すると
さいたま市の12月から4月まで湿度60%台なのに対して
大阪市では3月と4月だけが湿度60%台

つまり、木材の乾燥しにくい外気環境になっていることがわかります。

木が水に濡れさせない。
そんな家づくりを厳格に行われないと家の劣化が進んでしまいます。

またイエシロアリが増えやすい温度の高さも埼玉より1℃から1.5℃高いことがわかります。

揺れやすさ

地震が起きた際に揺れやすい場所と揺れにくい場所があることはご存知でしょうか?
揺れやすいと地震が来た際に大きく揺れ、揺れにくいと地震が来たときにも揺れる幅を抑える効果があります。
もともとの地盤や地質によって揺れやすいか揺れにくいかを調べることができます。

大阪市内はほとんどが揺れやすい場所です。

「都市大阪を生んだ土地のなりたち―遺跡の地層から読む―」 第35回地球科学講演会
http://www.omnh.net/whatsnew/2018/05/35.html

によると大阪は淀川から流れる岩石や砂泥が堆積し出来上がった土地の場所が多い。
そのため、地盤や地質は砂礫層(小石と砂が混合した土)と粘性土層(粘性土が多い地盤)がミルフィーユ上になっていて、砂礫層に地下水が流れていることが多いそうです。

そのような成り立ちのために大阪は埼玉と比べても揺れやすくなっています。
(揺れやすいに振り切っているエリアも多数)

ジャパンホームシールドさんの地盤サポートマップで埼玉と比較すると地震時の揺れやすさが違いが出ています。大阪市内は揺れやすいところしかないと言っても過言でないほど揺れやすい傾向にあります。

そのため、全国的平均以上の揺れても安全性を保てる耐震性を確保し、将来でも安全していられる耐久性を併せ持つ必要があります。

現在のトレンドは性能を均一化することで生産性を向上させようとするハウスメーカーも出てきています。
しかし、その土地その土地で確保しなければいけない住宅性能に差があります。これは住宅の特性上、各地域の気候風土があまりにも違うため、難しいのではないかと考えています。

大阪に最適な住宅の姿があるはずです。
しっかりとその点を重視したお家づくりをしていかなければいけないと他地域の工務店さんとお話させていただきより思いました。

ぜひ、みなさまも大阪でお家づくりの際はその地域に合ったお家づくりを考えていただければと思います。