室内温度の男女のケンカを減らすには断熱性が大事

性能とデザインにこだわった家づくりを手掛けています大阪市城東区の平和建設のスタッフです。

この時期、冬が終わりに近づき油断していると、「寒の戻り」により体調を崩しやすいです。そこで、寒さについて改めて考えてみたいと思います。

室温設定で男女がケンカになる理由

Photograph by Tyrone Turner, National Geographic Creative)

寒さに対する感じ方には個人差があります。子どもは寒さに強いと思われますが、すぐに風邪を引いたりします。また、厚着をしている人もいれば、薄着でも大丈夫な人もいます。

家族内で体感温度の違いは問題になりがちで、男性と女性では筋肉量や皮下脂肪、体内を暖める体の構造の違いなどから血管が収縮しやすく、体感温度が違います。特に女性は体内を温める構造のために体の中心から遠い場所が寒さを感じやすく、温度ストレスも感じやすいです。
詳しくはコチラ
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/080500212/

人は寒さを感じるとどうなるのか?

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63694181

英サウスウェールズ大学のデイミアン・ベイリー教授が行った実験でイギリスBBCが発表したものです。

一般的な日本人よりも寒さに強そうな鍛えられた体のベイリー教授ですら30分で数多くの変化が見られた。脳への血液流は20%低下し、呼吸の回数が1分間に9回から12回に増え、平均血圧は99mmHgから110mmHgに上昇します。また、心拍数は1分間に55回から65回に、末端の表面温度は平均2℃低下します。

さらに、認知機能まで低下することがわかりました。例えば、認知パズルの完成時間が21度では75秒、10度では95秒となりました。

寒さを感じると血液が「まるで糖蜜のように」なり、粘度が高くなるため、血栓を作るリスクも高まります。これが冬に心臓発作や脳卒中が増えるのだそうです。

自分の体で実験するベイリー教授のことが少し好きになるこの実験の状況は、寒い洗面室やトイレに行った際にも自分の身体にも起こっていそうです。

内の表面温度が重要!男女両方が快適と感じる部屋の作り方

室温だけでなく、輻射熱(冷輻射)も寒さへの感じ方に関係します。輻射熱とは、物体が周囲の環境に対して熱エネルギーを放射する現象のことです。

寒さが苦手な人や寒さに敏感な人は、肌で感じる温度差を敏感に感じ、寒さストレスを抱えがちです。特に足元は体の中心部分から離れているため、熱も下がりやすく、体感温度もより下がります。つまり、室温だけでなく、輻射熱(冷輻射)を起こさない表面温度を整えることで、体感の不快さを軽減できます。

一方、寒さに強い人は部屋の温度を上げすぎないようにすることで快適に過ごせます。大きな体感温度の個人差も、壁や窓、床などからの輻射熱(冷輻射)を抑えることで縮小できます。

表面温度を整えるには窓や壁、床などの断熱性によって変わってきます。
まずは各場所の断熱性と冷たいと感じるところがないようにすることで男女のケンカを少し減らすことができます。