間取り特集①:子育てしやすい住宅の間取り

 小中学生の子供が家で過ごす時間は、1日の半分以上と言われております。
それゆえ、家の間取りは、子供がすくすくと成長するために大きな影響を与えています。

本記事をご覧の方は、きっとこれからマイホームを建てようとしている子育て中の方、又はこれからお子さんが生まれる予定の方が多いのではないでしょうか。
そのようなとき、真っ先に考えたいのが「子育てがしやすい間取り」ですね。
 そんな方の為に本記事では、子育て家族にとってメリットがある最適な間取りのアイデアを解説しています。

1階のスペースで育児が完結できれば楽!

・料理や洗濯などの家事・食事・お風呂・着替え・子どもたちの遊ぶスペース・おもちゃや着替えの収納・寝る場所、これらすべてのことが1階で完結できると子育てが楽になります。

 育児が負担にならないよう、子育てをしながら生活していく方は 1階 ですべてが完結できるように重視しておくのが本当におすすめです。
子供の行動範囲が1階に限定されれば、親の目が届く範囲で収まりますので安心で安全なのです。

・いかに子育てを楽にできるか・更にそれ以外の家事を楽にできるか
これらに重きを置いて間取りづくりをするのがいいでしょう。

オープンキッチン・アイランドキッチン(対面キッチン)

 対面キッチンとは、キッチンに立っている時にでもリビングが見渡せられるキッチンです。
起床したら朝ごはんの用意をして、帰宅したら晩ごはんを作って、次は食後の片付け・・・家にいる時間は、想像以上にキッチンで過ごしている時間が多いものです。
料理を始めると5分10分と短い時間で終わることはまずないですよね。その間子供たちから目を離すのは不安で仕方ありません。

 その点オープンキッチンでは、料理をしながらでもリビングの様子が見渡せ、子どもと会話をしながら料理を楽しむことができます。
また、子供たちの様子を見る以外でも対面キッチンであればテレビを見ながら料理をすることもできるのでそういった面でもおすすめできます。
親が料理をしている様子も見えるため、子どもから自然とお手伝いをしたくなる空間ができます。

 広いスペースが確保できるなら、アイランドキッチンもおすすめです。キッチンの周囲を自由に行き来できるアイランドキッチンは、子どもが料理や家事のお手伝いをすることもできますし、何より開放感があります。

リビング・ダイニング

 子育て世代では、リビング・ダイニングはL型などの複雑な形状でなく、長方形などの見通しのよい形状にするとよいでしょう。

 成型のリビング・ダイニングならキッチンからの死角がなくなり、子どもが自由に走り回っていても、様子を見守りながら家事ができるようになります。
可能であれば、家族が集うリビングやダイニングなどを広めに取りたいですね。
お子さんがお昼寝をしているときに、お母さんが洗濯物をたたんだり、読書など趣味の時間を過ごしたり、とても便利なスペースができます。
また、親御さんがお孫さんに会いに泊まりにきたときにも使いやすいものです。
また、育児中は食事やおやつのたびに洋服が汚れて何回も着替えをしますので、洗濯物がとても多いです。
リビング・ダイニングからベランダや庭のウッドデッキに出れるようにすると、洗濯などもとても楽になります。
洗濯、物干し、着替え等をリビング・ダイニングの近くで考えると効率的に生活ができますね。

畳スペース(和室)

 小さな子供がいる家庭には、畳は機能的なメリットがあります。
走り回ったり転がったりするのが好きな子供も、畳の上だったらクッション性があり安心して遊べます。
万が一、子供が転んでも安心です。
また、畳スペースがあれば子供と寝転がったり、フローリングではやりにくいことでも気軽にできます。
よく遊び疲れてリビングの床やソファで寝てしまうこともがありますが、そんな時にリビングの近くに和室があると運ぶのも楽です。

 また、お客さんをお通しする客間としてもぴったりな、シーンに合わせた使い方ができるスペースです。

収納スペース

 親の物、それに加えて子供たちの物も膨大に増えます。洋服やベビーカー、カバンやランドセルなど成長につれて必要なものも増えていきます。
収納場所がないとどうしても玄関やリビングに置きっぱなしにがちです。
「土間収納」「シューズインクローク」「ウォークインクローゼット」、リビングにも「キッチンの背面収納」や「パントリー」。収納場所をなるべく多く確保しておきましょう。
また、子どもが自分で片付けができる収納スペースを確保すると効果的です。
階段下やリビングに子どもの背丈でも届く収納スペースを設置したり、家族のものが一緒に片付けられるファミリークローゼットを設置するのもよいでしょう。親子どもも一緒に片付けられる収納スペースを設置することが片付けを習慣づけるコツといえます。

 注文住宅ならば、何をどのくらい飾りたいのか・収納したいのかが、相談できますので、家族共有のスペースであるリビングやダイニングがモノであふれかえる心配もありません。
シューズインクロークは玄関から靴のまま直接入れる収納スペースで、子育て世代に特におすすめです。
ベビーカー、三輪車、おもちゃなどといった子どもが外で使うものは、砂や泥汚れがつきやすいため、室内には入れたくないですよね。
玄関でそのままにしておくとスペースを取られてしまうものです。

 シューズインクロークに収納すると、お出かけ前にもスムーズに取り出すことができますので便利です。
1.5畳程度確保できれば、家族4人分程度の靴だけでなく、コート、日用品も入れられます。
こういった点からアウトドアや園芸が趣味な方などに広く人気を集めています。応用が利きますので便利ですね。

親子共有の学習机

 リビングのそばにスキップフロアなどでメリハリを作り、親子共有の学習机を設置するのもいいですね。
子供からすれば、わからないことがあるときに質問しやすく大人の目が届きやすいのが魅力。
大人が側にいて、リラックスしながらも集中できるリビング学習がオススメされています。
サボり癖防止にもなるかもしれませんね。

 また、お父さんの書斎の代わりにも使えます。
親子一緒に使える趣味のスペースとして、スペースに余裕がある場合は導入してもいいかもしれませんね。

リビング階段

 リビングを通らなければ上階の自室へ上がれないリビング階段も、導入される方は多いです。忙しい家族でも子供とのすれ違いが少なくなります。毎日の「おはよう」や「おやすみ」の挨拶をするタイミングが増え、子どもが多感な時期であっても、顔を合わせる回数が増えれば、ふさぎこんではいないか、怪我はしていないかなど日々の微妙な変化に気がつきやすくなるでしょう。家族が忙しく、行動時間が違う場合にオススメの間取りです。

 デメリットとしては、家族以外の人(業者・子供の友人)も上階に行くのにリビングを通るので、プライバシーが気になる方もいるかもしれませんね。

子ども部屋(スケルトン・インフィル)

 子どもは成長過程でふさわしい空間が変わっていきます。
時期に合わせた子供部屋のつくり方の計画ができるのも注文住宅の醍醐味です。お子さんの人数や成長に合わせ、柔軟に対応できる子ども部屋つくりをお勧めします。

 2~3人の兄弟が幼いうちは見渡しやすくコミュニケーションが取りやすいみんなで広々と使える部屋がお勧めです。

 成長して思春期になると、プライバシーのある独立した子供部屋を用意するのも大切です。自室を欲しがるようになればそのスペースをぴったりとした本棚やパーテーションで区切り部屋に仕立てます。年齢に合わせて、趣味や勉強に落ち着いて集中できる空間が求められるので、児童期と思春期では異なる部屋数が必要になるでしょう。
このような自由自在な部屋づくりもできます。

 お子様の人数や年齢に合わせて、このように好きに動かせる仕切りをつけておけば、大掛かりなリフォームなしでも、子供の 成長過程 に合わせた可変性のある部屋として活躍します。

 あえてがっちりと壁を設けないスケルトン・インフィルという家づくりだからこそ、自由が利き遊び心ある部屋作りができます。これも注文住宅ならではの方法です。
のちにバリアフリーを考えても、このような方法で設計しておくと、後で追加工事がしやすいかもしれませんね。

暮らしやすい間取りには家族構成に合った居住面積が必要です

暮らしやすさの基本は、家族が生活していく動線にあっている間取りと収納です。

動線とは…
都市、住居、部屋などの空間の中での、人が自然に動く時に通ると思われる経路の軌跡を線で示す事。
動線は短ければ無駄な動きが少なくてすみ、機能性や居住性が高まる。
日常生活や家事作業を快適に進めるためには、これらの動線が交差せず、長くなりすぎないように計画する。

出典 リフォームのホームプロ

 家族の暮らし方や人数によって動線は変わりますので、具体的に家族の行動を想像して間取り計画をしていくことが重要です。
また、家族構成に合った居住面積を確保して、生活に不自由のない間取りにしなくてはなりません。

 誘導居住面積水準とは、「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準」です。

国土交通省の 誘導居住面積水準として、 都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住を想定したものでは、2人以上の世帯は、25㎡×家族の人数+25㎡とされています。
こちらが 戸建ての家を対象とした豊かな暮らしを実現するための理想の居住面積となります。

ちなみに、都市の中心及びその周辺におけるマンション・アパート居住を想定したものでは、2人以上の世帯は、20㎡×家族の人数+15㎡とされています。

 戸建住宅を想定したとして、子供を作る予定がないご夫婦や、子育てを終わったご夫婦の場合、75㎡( 25㎡×2人+25㎡ )の居住面積が必要です。ご夫婦と子供2人の家族であれば、125㎡必要です。子供や親、祖父祖母等の人数に応じて、25㎡ずつ、必要な居住面積が増えていきます。

 敷地の広さによっては、この水準を満たせない場合もあるかもしれません。
しかし、その中でも暮らしやすい間取りプランを作っていかなくてはなりません。

生活の時間帯がほぼ同じ家族であれば、ぶつかり合わないように玄関からリビングや自室までの動線、トイレやバスルーム等についての動線を考えた方がいいかもしれません。
生活の時間帯がずれている家族であれば、互いの生活の妨げとならないように家族の居室と水廻りの位置関係に留意した間取りを作ります。

 居室の広さを確保するためには、廊下や収納を見直すことで解決することもあります 。収納は広さを抑えるかわりに、必要な動線上にあり、 家族の暮らし方に合わせて最低限必要なサイズを確保出来ていることが、無駄な床面積を使わずに済む効率的な作り方です。

 このように家族構成や人数、生活リズムを考慮して未来のことまで想定しながら考えていくことで、家族みんなが暮らしやすい住まいを設計することが可能となります。

最後に

 子育てしやすい間取りは、現在から将来までを見据えて検討しなければなりません。
お子さんが乳幼児、小学生、中学生、高校生と成長するにつれて、親子の関係や生活習慣も少しずつ変化するからです。

 子育てを第一に考えられた住まいの間取りは、不思議と子育て後の将来にも寄り添い、長いあいだ暮らしやすい間取りとして機能します。
子育てに適した間取りにすることで毎日の生活がスムーズになり、お子さんの将来にもいい影響を与えるでしょう。

ただし、お子様はいずれ巣立つ時が来るものです。残されたご両親にとっても、良い空間を作りたいですね。

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