間取り特集②:注文住宅のための二世帯住宅の基本パターン

親と子ども、孫の三世代が1つの敷地・屋根で暮らす「二世帯住宅」。
2つの家族が同居する二世帯住宅は、お互いの生活を見守れるという大きなメリットがあります。
夫婦共働きが増えたこと、親世代の介護なども含めて、親御さんの体調を気遣ったり、親御さんがお孫さんの育児の手伝いをしたりと、「親世帯」「子世帯」のどちらにとっても経済的、精神的なメリットが大きく、今、注目されています。
しかし、親世帯・子世帯それぞれの暮らし方が異なることもありますので、間取りの点で気をつけなければならないこともあります。
私たち平和建設は、お客様のこだわりをしっかりカタチにするために設計者や施工管理者が積極的に打ち合わせに参加し、お客様の想いやイメージを感じ取り、「理想」プラス「最適」な住宅設計を目指します。

二世帯住宅をつくるにあたって、間取りは3つのパターンに分けられます。
・完全分離タイプ ・一部共用タイプ ・同居タイプ
今回はこれらのパターンについてご説明いたします。

世帯ごとにスペースを完全に分離した【完全分離タイプ】

玄関が2つあり、内部はLDK、個室までそれぞれ独立した間取りで、単純に家を2つくっつけたようなイメージです。家の中で行き来できるドアを設けているケースもあります。間取りは、建物を左右で分けるパターンと、上下で分けるパターンがありますが、上下で分けた方が階段は1つで済むためスペースを有効活用しやすく、建築コストも抑えやすいです。普段の暮らしではお互いに干渉せず、必要なときは呼びに行ける気楽さが魅力です。
《メリット》
●異なる生活時間やお互いの生活空間を尊重しつつ、必要な時に協力し合えること。
●玄関が2つあり、表札をそれぞれに設置できるため、名字が異なる場合には郵便物等の扱いが何かと都合がいいこと。
●将来、親世帯か子世帯どちらかが引っ越しするなどライフスタイルが変化した際も、空いたスペースを賃貸として活用することが可能。
《デメリット》
●融合型や共有型と比べて、設備が単純に2倍となるため建築費は高めに。
また、二世帯が独立して暮らすための広さも必要になるため、条件を兼ねた広い土地が必要になります。

玄関や浴室などを両世帯が共用する【一部共用タイプ】

家族が集まるリビング・ダイニングは世帯ごとに独立させ、玄関や水回りなどの一部を共有する間取り。生活時間やお互いの生活スタイルを尊重しつつ、協力して暮らしたいという人に向いています。
何をどこまで共有するかを自由に決められるので、土地の広さで調節が可能です。完全分離タイプと比べると効率よく空間を使うことができるので、敷地がさほど広くなくてもゆとりある二世帯住宅を建てることができます。

【メリット】
●適度に互いの暮らしの様子が分かりながら、プライバシーを保つことができること
…共有する設備、スペースをそれぞれ検討することで二世帯間で無理のない快適な生活を保つことができます。

●共有部分を増やせばコストダウン
…共有するスペースが多いほど建材や設備費用を抑えることができます。共有する場所、別々にこだわりたい場所、それぞれの生活スタイルを踏まえて検討しましょう。

【デメリット】
●共有部分の生活音に気を遣うかも
共用スペースの配置場所により間取りプランを調整することがあります。共有部分が寝室などに面している場合、どうしても寝室に生活音が響いてしまいますので、夜間に共有部分を使うことが気遣いでストレスになってしまうことも。

多くの空間を二世帯で共用する【同居タイプ】

個室を除き、玄関や水まわり、LDKなどほぼすべてのスペースを共用する間取り。一戸建てに大家族で住むイメージです。各世帯のプライバシーを守りにくくなるので、生活時間や価値観にズレがなく、にぎやかに暮らしたい人、同居に慣れている方に向いています。

【メリット】
●コミュニケーションをとりやすい
…同じ空間で生活するため、リビングでくつろいだり食事の時間を一緒に過ごすことができます。
また、家族で家事や子育ての分担がしやすい。
●建築費をおさえられる
… 共用スペースが多いために敷地が狭くてもゆとりある二世帯住宅が建てやすいこと。建築費を安く抑えることも可能だ。
●設備を共有して使うため、光熱費を節約できる
【デメリット】
●お友だちや来客の多い方は気を使うことが増えるかもしれません。両親や子どもの来客がいるためリビングでくつろげない…なんてことも。
●各世帯の独立感がないため、プライバシーの確保が難しいこと。
… 家事分担、経済的な分担、食事や入浴等の生活時間などのルールを決めないとストレスに。窮屈な生活になってしまわないよう間取りに配慮しましょう。